Movies

前からこのウェブサイト御覧になっている方はお気付きかもしれませんが、このページは昔Favorite Booksとなっていました。好きな本についていっぱい書くぞ!と思っていたんですけど、よく考えると好きな本(または"fun" books)だけ漁って読んでいられたのは高校・大学までで、最近は学術書かジャーナルしか読んでいないし、せっかく個人的なサイトだし、政治学や中国関連のブックレビューばかり書いてもなあ、ということで、映画をメインに書くことにしました。

I was originally thinking of introducing only books on this page, and then realized I have not read much novels or fun stuff recently since I have been busy catching up with academic books and journals. I decided to talk mainly about movies, which means I will probably write mostly in Japanese. Michi might write about the same movies in English in his blog since we often watch movies together (his review is more sophisticated, anyways).

というわけで以下オススメ。

エス(Das Experiment)

ドイツの映画。15人くらいの一般人が囚人と監守の2グループに分けられ、心理学の教授に脱個性化や暴力化を観察されるはずが、被験者が暴走してリンチや殺人、実験ののっとりまでしてしまうお話。最後の結論だけ聞くと「そんなのあるわけないじゃん」くらいにしか思えないけれど、映画では実験中におこる一つ一つの過程が飛躍し過ぎず、十分あり得るだけに恐ろしい。私は感情移入しすぎて疲れた。私好みの低予算系で、低予算だからこそ役者が光る!感も強い。

アバウト・シュミット (About Schmidt)

今日駅前で、この映画の広告が貼ってあって思い出した。洋画の広告についている日本語のキャッチコピーが全然的外れなのは気付いていたけれども(例えば、Gangs of New Yorkには「全ては愛のために」みたいなコピーがついていた。)、その広告も的外れの度がひどかったので、紹介したい。「ジャックニコルソンの代表作決定!60歳の男が届ける、感動の物語−−−人生の全てを失った日に、人生最高の贈り物が届いた」これを書いた人は本当にこの映画を見たの???と思うほどテーマが全く違います。反対です。これは明らかにコメディーで、しかも心温まる系のコメディーではなく、最初から最後までアメリカ内陸の中流階級のおじさんの定年後の生活を皮肉ったとてもシャープな、ある意味ブラックなお話。表現が微妙だとはいえ、普通の感動の映画に見えてしまうようだったら、あなたには皮肉度が足りない。

マグノリア (Magnolia)

元ルームメイトのなみさんに「訳が分からない映画」と聞いていたので、意気揚々と借りてきた。確かに最初に色々な「偶然」を紹介するシーンにまず圧倒される。その後に複数の人間の人生を同時進行で描くのだが、思ったより筋が通った内容だった。テーマを敢えて言うならば「親の勝手に翻弄される子供たち」だろうか。筋がしっかりしているとはいえ、出演者がみんなで挿入歌を歌ったりカエルが降ってきたり、異様さも欠かさない。出演者も有名人勢ぞろいだし、とても切ないテーマを扱っているのでまじめな映画が好きな人も楽しめるはず。

クラッシュ(Crash)

Colmに薦められて見たけれども、期待を上回る出来。アメリカの根深い人種問題をunderlying themeに、人間の倫理がいともたやすく変遷する様子がとってもうまく描かれている。善人悪人という恐ろしい二分化概念をメッタ切りにする辺りが非常によい。

マルコヴィッチの穴 (Being John Malkovich)

先日jiufenに行った時、バスについていた小型トイレで、思わず思い出してしまった。一体どのような精神状態だったらこんな話考えつくのか、本当に不思議。同じ劇作家(Charlie Kaufman)でもHuman Natureはいささか品を失ってしまっているが、この映画は異様な上に、妙な気品に溢れているのはMalkovichのなせる技なのか、他人の精神を乗っ取るという哲学的なテーマのせいなのか、それとも切なさの溢れる「苦悩と失意のダンス」のせいなのか。やっぱり低予算なのが好き。

アダプテーション(Adaptation)

これもCharlie Kaufmanの作品。「マルコビッチの穴」の撮影シーンから始まる。プロットが本当に異様でなんとも語れないが、見事に私の壷にはまった。自らを、ハリウッドをあざけ笑いつつ、皆が持つ苦悩というか内向的な側面を、画面から涙と冷や汗が出てきそうなくらい痛烈に描いている。あまり筋が通らない映画は嫌い、もっとスウィートな感じのものが好き、という人には同じくCharlie Kaufmanによる、Eternal Sunshine of the Spotless Mindがおすすめ。ああ、Charlieにはまってる!

Les Invasions Barbares

割と軽いタッチと半日常的な会話で進んでいくが、扱うテーマは大人になった子供とけして完璧ではない親の関係だったり、生と死だったり、とっても複雑。私もああやって死にたい、って言う前に息子役にinspireされるべきか。

ブエノスアイレス(春光乍洩/Happy Together )

レスリーチャンとトニーレオン主演の同性愛カップルのお話。台湾ではやった「17歳の天空」というゲイ・コメディー(すんごい可愛い)に引き続いてみたが、やっぱりこちらの方が断然大人の味。さすがの王家衛。同性愛の話が好きなのは、友情なのか愛情なのかが更に微妙なのと、喧嘩になった時に力量が同じなのでかなり本気だという点。恋愛ものとして切ない以上に、外国で暮らす寂しさと潔さに妙に共感した。とにもかくにも、トニーレオンがかっこ良すぎるっていうか、切なすぎるっていうか、抱きしめたくなる。

Eros (三部作うち前半2作/the first two stories)

三部作の一つ目「Hand」は、はたまた王家衛。二つ目「Equilibrium」はSteven Soderberghが監督。(三つ目はイマイチなので触れない。)もう、王家衛がうますぎて、切なくって言葉にならない。監督もうまければ、役者もさすが!な演技なので、ぜひ見て〜!2作目は切なくはないが、面白くて上手。3作目は別に見なくていいので、この二つは絶対見て

戲夢人生(The Puppet Master)

台湾の近代史を描かせたら右に出る者がいない、候孝賢(悲情城市などが代表作)の半ノンフィクションの作品。台湾映画オタクのるみさんに「出てくるおじいちゃんがすごいカッコいいから見て」って言われて見た。台湾語だから実は細かいところまで分からなかったんだけど、あの複雑な時代の中をたんたんと生きる台湾人を、少し遠い目線で、暗い光線で見つめる彼の独特な手法が私は好き。

ドニー・ダーコ (Donnie Darko)

日本語のサイトが見つからないので、日本で公開されなかったのかも。英語のサイトでは割と厳しい評価がついているが、個人的に、ロートーンでありつつ話にのめり込めるので好き。高校生の悶々さが見どころだから、タイムトリップの話とくくってしまうのは気が引ける。現実逃避したいけど派手なハリウッド映画は疲れるという心理状態の時にオススメかも。

スワローテイル・バタフライ (Swallowtail Butterfly)

世紀末の混沌とした感じ、複雑な人物設定、移民と社会の二重構造、英語/日本語/中国語が入り乱れるところが最高によい。ヤクザものとマルチ言語の合体と言う点で「不夜城」もまあまあだが、スワローテイルの方が、断然好し。道のSwallowtail Butterflyの感想はこちら

ここで述べるまでもなく有名で私も大好きな映画たち: